SPYDとは?配当金生活は可能?基本情報・株価・配当・特徴を説明!

SPYDで配当金生活は可能か?のアイキャッチ 投資知識

本記事では、米国高配当ETFとして有名なSPYD基本情報・株価・配当情報・特徴・おすすめの購入タイミングを紹介します。そして、SPYDが配当金生活の投資先として向いているのかどうかを説明します。

コメ
コメ

今回はSPYDを学ぶワン!

結論
  • SPYDのみでの配当金生活はおすすめできない
  • 高い配当利回りだが配当金に安定性がなく、減配で受け取れる配当金が減る
  • メリットもあるため他の高配当ETFとの組み合わせがおすすめ

基本情報

SPYDの基本情報を次の表にまとめました。

名称SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF
概要S&P500高配当指数の値動きに経費控除前ベースで概ね連動する投資成果を追求している
株価(2023年12月29日時点)$39.19
配当額(2023年実績)$1.828
配当利回り(※1)4.664%
構成銘柄数80銘柄
コアセクター不動産・公益事業・金融
経費率0.07%
設定日2015/10/21
※1:2023年12月29日時点の株価と2023年の配当額で算出

SPYDはどのようなETFなのか?

SPYDの名称は「SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF」といい、S&P500®高配当指数の値動きに経費控除前ベースで概ね連動する投資成果を追求しているETFです。つまり、米国の代表的な指標であるS&P500指数の500社の中で配当利回りが高い上位の80銘柄に投資しています。

S&P500指数は、直近10年間における年平均リターンはおよそ14.7%でとても高いリターンを誇っており人気の米国指数です。

株価は1株45.090ドル(2024年8月30日時点)です。日本円にすると1株およそ6628円(1ドル=147円で計算)で購入しやすい価格です。配当額1.828ドルで、配当利回り4.664%(2023年実績)で高い配当利回りです。

コアセクター比率は上位から不動産公益事業金融です。この不動産公益事業金融は景気によって業績が左右されやすい業種です。そのため、景気が悪化すると影響を受けてSPYDのパフォーマンスが落ちて、減配や株価下落を引き起こします。

株価情報

SPYDの株価の情報を紹介します。SPYDの設定日から2024年10月までの株価のチャートの紹介やSPYDとS&P500指数のリターンを比較します。

SPYDの株価は上昇しているのか?

次のチャートはETFが設定された2015年から2024年までのSPYD株価のチャートです。

SPYDの2015年から2024年の株価の推移
TradingView提供のチャート

SPYDの株価は2015年以降、2020年まで順調に上昇していました。しかし、コロナショックによって株価が40%近く下落しました。株価の暴落は長続きせずにおよそ1年で暴落前の株価に回復しています。米国の金利上昇の影響により2022年から2023年にかけて徐々に株価が下落しましたが、米国の金利引き下げに伴い2024年現在の株価はおよそ45ドルまで上昇しています。

SPYDはS&P500指数と比べて勝っているのか?

次のチャートは2015年から2024年までのSPYDの配当を含めたリターンS&P500指数のリターンのチャートです。青色の線がSPYDのリターンで、赤色の線がS&P500指数のリターンです。

SPYDとSP500指数の2015年から2024年のリターン比較
TradingView提供のチャート

SPYDは+130.70%のリターンに対しS&P500指数は+179.67%のリターンで、SPYDよりS&P500指数の方がリターンが勝っています。高配当利回りの企業は一般にビジネスが成熟した企業であることが多いです。このような企業の業績は急成長しないため、株価の上昇率が他の企業より低い傾向があります。そのため、S&P500指数がリターンで勝っていると考えられます。

配当情報

SPYDの直近5年間の配当はいくらか?増配しているか?

SPYDの直近5年間(2019年~2023年)の配当額と前年比較の増配率をまとめました。

配当額増配率
2019 $1.746 7.844%
2020$1.632-6.529%
2021$1.548-5.147%
2022$1.98328.101%
2023$1.828-7.816%

配当額は安定しておらず減配がしばしばあります。2019年と2023年を比較するとおよそ4.7%増配していますが、コロナショック時は減配しています。2022年に大きく増配しましたが2023年はまた減配と配当額に落ち着きがありません。SPYDのコアセクターが景気に敏感なセクターであることが配当額の増減が多いことの要因です。

コメ
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配当額発表日は減配しないか心配するワン!

VYMは2019年と2023年を比較するとおよそ22%増配しています。

SPYDの直近5年間の配当利回りはどれくらいか?

SPYDの直近5年間(2019年~2023年)の配当利回りです。配当利回りは配当額をその年の終値で割って算出しています。

配当利回り
2019 4.425%
20204.954%
20213.681%
20225.010%
20234.664% 

直近5年間の配当利回りは3.681%~5.010%の範囲で推移しており、この期間の平均配当利回り4.546%です。2021年はコロナショックの反動で株価が上昇したものの配当額は減少したため配当利回りが極端に低くなっています。

SPYDのメリット

  • 高い配当利回りの配当金が受け取れる
  • 運用コストが低い

高い配当利回りの配当金が受け取れる

2019年から2023年の平均配当利回りは4.546%で、VYMHDVと比べて高い配当利回りの配当金が受け取れます。

運用コストが低い

SPYD経費率は0.07%と低コストです。例えば、100万円分のSPYDを保有した場合、年間で700円の経費しかかかりません。

コメ
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700円では東京ではランチを食べることもできないワン...

SPYDのデメリット

  • 景気によって業績が左右されるセクターが中心である
  • 配当金が安定していない
  • 為替リスクがある
  • 日本の配当よりも多く課税される

景気によって業績が左右されるセクターが中心である

不動産・公益事業・金融セクターがメインであるため、業績が悪くなると減配する可能性があります。SPYDの構成銘柄のセクター割合は次のグラフの割合になっています(2024年8月30日時点)。

SPYDのセクター割合 20240830時点

不動産が24.43%を占めておりダントツです。その後は公益事業・金融・生活必需品・ヘルスケアと並んでいます。景気動向によって業績が左右されるセクターが多いため、貰える配当金に波があることに注意が必要です。

HDVの上位の構成銘柄セクターはエネルギー・ヘルスケアです。

コメ
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不動産・金融の割合が高いSPYDとエネルギー・ヘルスケアの割合が高いHDVを組み合わせて投資するといいかもしれないワン!

配当金が安定していない

配当金は減配や増配を繰り返しており不安定です。安定的に配当金を貰う目的にはSPYDは適していません。

為替リスクがある

SPYDはドルで売買します。日本では円で生活しているため、円⇔ドルの取引が必要になり、為替リスクがあります。

円高になると、日本円で受け取れる配当額が減ります。例えば、配当金を100ドル受け取る場合を考えます。

1ドル配当額(円)
161.51 16151円
146.3914639円

100ドルの配当金を受け取る際、1ドル161.51円では16151円ですが、1ドル146.39円では14639円です。この2つの差分は1512円と10%も受け取れる配当額が変化します。

1ドル161.51円は2024年7月1日の相場で、1ドル146.39円は2024年9月1日の相場です。

コメ
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円高になると日本円換算で受け取れる配当額が減ってしまうワン...

日本の配当よりも多く課税される

日本株と比べて米国株の配当は税制面で不利です。米国株の配当金を受け取る際は2回課税されます。

  1. 配当金に対して、米国で10%が課税されます
  2. 1で差し引かれた後の金額に対して、日本で20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が課税されます

合計すると、配当金に対して28.2835%が課税されます。

確定申告で外国税額控除を受けると外国で課税された額の一部を控除できます。

SPYDのおすすめの購入タイミング

SPYDのおすすめの購入タイミングは2020年のコロナショックのような世界的な株価暴落が起きた時です。この理由をSPYDとVYMのリターンと比較しながら説明します。

SPYDとVYMの2015年以降のリターン比較

次のチャートは2015年から2024年までのSPYDの配当を含めたリターンVYMの配当を含めたリターンのチャートです。青色の線がSPYDのリターンで、赤色の線がVYMのリターンです。

SPYDとVYMの2015年から2024年のリターン比較
TradingView提供のチャート

SPYDのリターン+130.70%に対して、VYMのリターン+154.69%VYMが勝っています。さらに、2020年のコロナショック時はSPYDよりVYMの方がリターンの下落が少ないです。そのため、リターンの比較結果はVYMの方がSPYDよりETFとして魅力的に見えます。

しかし、コロナショックで株価が大きく下落した2020年の3月を基準にしたリターンでは異なる結果になります。

SPYDとVYMの2020年以降のリターン比較

次のチャートは2020年3月から2024年までのSPYDの配当を含めたリターンVYMの配当を含めたリターンのチャートです。青色の線がSPYDのリターンで、赤色の線がVYMのリターンです。

SPYDとVYMの2020年3月以来のリターン比較
TradingView提供のチャート

先ほどの2015年以降のリターン比較とは異なり、SPYDのリターン+128.97%に対して、VYMのリターン+112.35%SPYDが勝っています。先ほどと異なる結果になったのはコロナショック時にSPYDVYMより高い下落率で株価が下落したことでより割安により高い配当利回りで投資できたためです。

このように過去のデータでは、世界的な株価暴落が起きた時はSPYDはかなり割安に投資できることがわかります。そのため、SPYDはコロナショック時のように30%~40%の株価下落が起きた時がおすすめのタイミングです。

まとめ

結論は、SPYDのみで配当金生活は難しいでしょう。

配当金は年によって減配・増配を繰り返しており安定していません。VYMやHDVに投資する方が安定した配当を受け取れるため配当金生活に適しています。ですが、SPYDの高い配当利回りは大きなメリットです。そのため、他の米国高配当ETFと組み合わせて安定性を高めながらSPYDに投資するのがおすすめです。SPYDへの投資は、○○ショックと呼ばれる世界的な株価の大暴落が起きたタイミングにすると大きなリターンを望めるでしょう。

コメ
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SPYDは扱いが難しいが、その分高配当を狙えるETFだとわかったワン!

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