本記事では、高配当利回りだけの罠銘柄に騙されず優良な高配当株に投資するために確認すべき6つの項目を紹介します。投資は焦りに左右されるものです。株の購入前にこの方法でしっかり確認して優良な高配当株を選びましょう。
会社のビジネスモデルがストック型もしくは真似できないこと
一般に会社の平均寿命は30年といわれています。そんな中で何十年も安定して成長を続けるにはその会社にしかない顧客(収益)基盤や他社が真似できない強みを持つ必要があります。
ストック型ビジネスは定額サービスなどを提供し継続して収益を得るビジネスモデルです。具体的にはNetflixやspotify、スマホの通信サービスなどが該当します。ストック型ビジネスは長期的に安定した収益が得られるのが特徴です。
5年以上継続してspotifyを使っているワン!
もう1つの重要なことはビジネスモデルが他社が真似できないことです。それはスターバックスやシャネルなどのブランド価値や、たばこ産業のような法律で規制されているもの、ネットワークなどの大規模な設備が必要なインフラなどなんでもよいです。他社が真似できないと競合がいない(少ない)ため、長期的に安定した収益が得られます。
ストック型ビジネスと真似できないビジネスどちらにも共通して、長期的に安定した収益が得られる特徴があります。高配当株投資は長期的に安定して配当を貰うことが前提です。そのため、それが可能かをビジネスモデルの観点で確認しましょう。
会社の業績が最低10年以上は安定かつ成長していること
会社は利益を出すことが目的で利益の一部を配当として受け取ります。例えば、1株100円の利益がでて50円を配当として受け取りました。この場合は、利益から配当を出せていますので無理はないです。一方、例えば、1株10円の利益がでて50円を配当として受け取りました。この場合は、会社は利益から配当を出すことができないので貯金も使って配当を出します。この状態は長く続かないでしょう。
そのため、業績が良くない会社に投資したら将来にわたって継続的に配当を受け取ることはできません。その会社が配当を安定して出すことができるのか、さらには配当を増配できるのかを実際に業績で確認しましょう。
繰り返しになりますが、高配当株投資は長期的に安定して配当を貰うことが前提です。そのため、最低でも10年前(できれば15年前)までさかのぼって業績を確認しましょう。
財務状況が最低10年以上は健全であること
会社は色々な所からお金を借りて経営します。会社の業績が良くても莫大な金額を借金していれば、稼いだお金のすべてを返済に使ってしまうかもしれません。そうなると配当を貰うことができなくなるかもしれません。その会社が借金をどれくらいしているのか、返済できているのかやどれくらいの資産があるかなどを見て、コロナショックなど外的要因で急に業績が悪くなった場合に、貯金から継続して配当を出せるのかを確認しましょう。
こちらも最低でも10年前(できれば15年前)までさかのぼって財務状況を確認しましょう。
キャッシュフローが最低10年以上は健全であること
キャッシュフローはお金の流れを表しており、企業の家計簿のようなものです。その企業が本業でいくら稼いでいるか、投資にいくら使っているか、いくら借金をしたか、最終的にいくら手元に残ったのかがわかります。毎年、最終的に手元に多くのお金が残っていれば、それを配当として株主に還元するかもしれません。もしくは、新規事業に投資して新たな収益を生み出すかもしれません。
その会社がいくら手元にお金が残っているかを見て、余裕を持って継続して配当を出せているのかを確認しましょう。
こちらも最低でも10年前(できれば15年前)までさかのぼってキャッシュフローを確認しましょう。
配当が最低10年以上安定していること
高配当株に投資する目的は配当を貰うためでしょう。余裕をもって継続して配当を出しているかを直接確認しましょう。
特にリーマンショックやコロナショック時の年を確認するとよいでしょう。このような世界的な不況時はどの企業も業績が悪化します。その時に前年と同じ程度の配当を出していれば株主還元に積極的で今後も一過性の業績悪化があったとしても安定して配当を受け取れるでしょう。
こちらも最低でも10年前(できれば15年前)までさかのぼって配当を確認しましょう。
もちろん、○○ショックが終わった後に元の業績まで戻せる企業力があるのが前提だワン!
注目されている業界や会社ではないこと
注目されている会社は皆が注目しているため株価が割高になっています。通常は欲しい商品が値上げすると買い渋りますが、不思議なもので注目されている銘柄は株価が高騰していても投資したくなるものです。
長期的な配当を目的にしている高配当株投資では株価が低下して割安になったタイミングで投資するのが鉄則です。株価が低下する理由はいくつかありますが、業績悪化など悪材料での株価低下でないことの見極めが必要です。この見極めのために1~5の確認をしてきました。これと株価低下時の状況を踏まえて株価の低下が一過性のものと判断すれば、その時が投資のチャンスかもしれません。
注目されている業界や会社の株価が割安であることはありません。高配当株投資ではこれらの株には手を出す必要はありません。欲しくなる気持ちを抑えて割安になるタイミングに備えましょう。
まとめ
日本高配当株投資に大切で失敗しないために確認すべきポイントを6つ紹介しました。
これを確認したからと言って必ず失敗しないとは限りませんが、失敗確率は抑えられると思います。この6つの観点を確認して日本高配当株を選びましょう。
- 会社のビジネスモデルがストック型もしくは真似できないこと
- 会社の業績が最低10年以上は安定かつ成長していること
- 財務状況が最低10年以上は健全であること
- キャッシュフローが最低10年以上は健全であること
- 配当が最低10年以上安定していること
- 注目されている業界や会社ではないこと