VYMへ投資を考えた時、ETFのVYMに直接投資するのと、投資信託の「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」などを通じてVYMに投資するのはどう違うのか。本記事では、投資信託とETFの違いを説明します。そして、上記のVYM投資の場合、投資信託に向いている方、ETFに向いている方を考えます。
投資信託とETFのサービスの違いは何か?
投資信託とETFの取引価格や取引方法、運用コストの信託報酬、分配金の再投資や外国税額控除の手続き、新NISA口座の投資枠を比較します。
取引の比較
ETFは株式と同じく株式市場で売買します。そのため、市場が開いている時間にリアルタイムで取引可能です。その価格は1株の市場価格で取引されます。市場価格はETFによって値段が異なります。例えば、SPYDの1株の価格は約7,000円、VYMは約20,000円のように数千円から数万円とまちまちです。VYMを購入する場合、最低価格は20,000円と高額になってしまいます。
3万円投資したい場合、VYM(ETF)は1株(20,000円)しか投資できないワン!
投資信託は株式市場では売買しません。その代わりに販売会社を通じて商品を売買します。売買は1日に1回のみ行われ、価格は1日1回更新される基準価格で取引されます。そして、投資信託は株式と異なり1株単位の取引ではなく、投資したい金額で売買可能で最低100円から投資できます。
3万円投資したい場合、投資信託はぴったり3万円分購入できるワン!
つまり、ETFはリアルタイムで取引できますが、1株単位で取引するため取引価格は高額になることがあります。一方、投資信託は1日1回の取引で取引価格を指定することができませんが、最低100円から金額を指定して購入できます。投資信託の特徴の金額を指定して購入できることは個人投資家にとって大きなメリットになります。
信託報酬の比較
信託報酬は投資信託よりETFの方が低い傾向があります。実例として同じVYMに投資するときの信託報酬の違いをみてみます。投資信託(SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド)の信託報酬は0.1238%ですが、ETFは0.06%でおよそ半分の信託報酬です。
分配金の比較
分配金の再投資や二重課税の還付を受ける場合、ETFは自分で手続きが必要ですが、投資信託は証券会社が自動で処理してくれます。分配金の再投資は投資信託やETFを購入するだけなので手間ではないですが、外国税額控除を使った二重課税の還付は確定申告が必要で大変手間がかかる作業です。
新NISA口座枠の比較
新NISA口座で投資する場合、ETFは成長投資枠のみで投資可能です。一方、投資信託は成長投資枠・つみたて投資枠の両方で投資可能です。ただし、つみたて投資枠で投資可能な投資信託は限られており、すべての投資信託が使えるわけではありません。度々例に出している「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」はつみたて投資枠を使用できません。
VYMへ投資する場合、投資信託とETFのどちらを選ぶべきか?
投資信託とETFの違いを整理します。
投資信託はより高い信託報酬を支払う代わりに、分配金の再投資や外国税額控除の手続きの手間を省くことができます。さらに、リアルタイムで取引できないため取引価格をあまり意識せずに100円から自由に金額を設定して投資できます。
ETFはより安い信託報酬で投資でき、株式と同様にリアルタイムで取引します。しかし、1株単位の投資でETFによりますが1株数千円~数万円の取引価格のため、ある程度まとまった投資資金が必要になります。さらに分配金の再投資や外国税額控除を受けるためには自身で対応する必要があり手間がかかります。
投資信託に向いている人は?
投資信託は投資初心者や投資に手間をかけたくない人に向いています。その理由は投資信託が次の利点があるためです。
- 少額(100円~)から投資金額を指定できる
- 1日1回しか基準価格が更新されないため取引価格をあまり意識しなくてよい
- 手間がかかる手続きをする必要がない
ETFに向いている人は?
ETFはある程度まとまった投資資金がある人や少しでも支払う信託報酬を減らしたい人に向いています。その理由はETFが次の利点があるためです。
- 信託報酬が安い
- 希望の取引価格で購入できる
- 取引価格を見極めて割安なタイミングで投資できる
まとめ
投資信託は少額から投資できるため、気軽に始められる点がメリットです。一方、ETFは信託報酬が安くリアルタイム取引で投資できる点がメリットです。そのため、投資信託は初心者に向いており、ETFは手間をかけてでも信託報酬を安くしたい人に向いています。